簿記の勉強のついでに調べたものです。自分から取られる税金・受けることができる控除・公共サービスを調べたくなったので、少しだけ調べた時のメモ。正しさは保証しません。
税金とは
国税庁に個人向けの税金に関するページがあるので、それを読みつつ整理していく。
定義
税金とは支払う義務がある金銭であり、公益サービス+所得再分配の役割が含まれているもの。
国や地方公共団体が、その必要な経費をまかなうため国民から強制的に徴収する金銭。政府は税金を使って、..(省略)..教育や福祉などの公共サービスを提供する。また、所得をなるべく公平にする所得再分配や、景気対策..(省略)..の政策(財政政策)は税金を使って実行される。
引用元:税金(tax)とは|知るぽると
また、特に給与から天引きされる仕組みを源泉徴収と呼ぶ。
... このように、給与等の支払者がその支払いのときに一定率の金額を天引きして預かり、これを納税者本人に代わって納付するしくみを、「源泉徴収」といいます。
種類
税金は納め方によって大きく2種類似分類することができ、
税金の種類は約50種類あります。税金の納め方の違いにより、直接税と間接税の2通りに区分 することができ、公平な課税のために多くの種類や仕組みがあります。(引用元:税金の種類と仕組み)
更に、おそらく小学生向けに松戸市が開設しているページ『まつどKIDS』によると何に対して税金がかかるかによって3種類に分類することができる。ちなみになぜか税金のページだけ漢字にふりがなが無いので小学生は読めないかもしれない。
所得課税は、市民税や所得税など、個人や会社の所得にかかる税だよ。
消費課税は、たばこ税や酒税など、物品の消費やサービスの提供に対してかかる税だよ。
資産課税は、固定資産税や相続税など、資産の取得や保有に対してかかる税だよ。(引用元:税金にはどんな種類があるの? まつどKIDS|松戸市)
そして納める対象による分類もできて国税と地方税(道府県税+市町村税)の二種類に分けられる。国税の場合は税務署が関係しており、地方税の場合は各市町村の税務課窓口が対応している。
さらに納める額の計算方法については申告納税(自分で計算して申告)と賦課課税(税務局が計算して通知)の二種類がある。例えば固定資産税は賦課課税だし、所得税は申告納税に当たる。
国の税金は、納税者の一人一人が、自ら税務署へ所得等の申告を行うことにより税額が確定し、この確定した税額を自ら納付する申告納税制度を採用しています。これに対して、行政機関の処分により税額を確定する方法を賦課課税制度といい、地方税ではこの方法が一般的です。(引用:II 申告納税制度|国税庁)
つまり、『どうやって税金を納めるか』『どこに税金を納めるか』『何に対して税金を納めるか』『だれが計算して額を決定するか』の4つの視点から税金はジャンル分けできるらしい。
税金
所得課税
所得税
最も代表的なものは所得税。
それ以外にも、法人税・地方法人税・個人住民税・法人事業税などが該当する。そして、所得には10種類の区分がある。
このうち、特に20代で関係する機会が多そうなのは
- 利子所得:預貯金や公社債の利子
- 配当所得:株主や出資者が法人から受ける配当
- 不動産所得:不動産や借地権を持っている場合
- 給与所得:勤務先から受ける給料と賞与
- 雑所得:営利を目的とした継続的な副業など他の所得に該当しないケースすべて
これらは区分ごとに所得の計算方法が決まっているので、収入・所得を得た場合はまずどの区分に該当するかを確認して計算することになる。基本的には収入から控除額を引いて課税所得金額を確定し、それに対しって税率をかけ合わせることで税額が決まる。どのような要素で税金を控除されるかも区分ごとに決まっているので確認する必要がある(複雑!)。そして、課税する方法は総合課税(所得を合算した総計に課税)と分離課税(他の所得と合算せず個別に課税)の2パターン(参考文献)がある。特に他所得と合算する前に規定の税率で税金が源泉徴収されるものを源泉分離課税と呼び、源泉分離課税は確定申告の対象となる所得からは除かれる。
控除のうち、特に身近なのは基礎控除・配偶者控除・医療費控除・扶養控除。配偶者控除については以下のページが詳しい。
配偶者控除の対象として扱われるのは、その年の12月31日時点で次の要件すべてに当てはまる控除対象配偶者です。
- 民法の規定による配偶者であること
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額は基礎控除48万円以下であること
- 給与収入のみを得ている場合は103万円以下(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)であること ... (省略) ... (引用元:配偶者特別控除と年収の関係をわかりやすく!103万・150万・201万の壁とは? | マネーフォワード クラウド)
配偶者控除については、配偶者に所得税がかかるかどうか・配偶者特別控除が満額の38万円受けられるかどうか・配偶者特別控除が適用できるかどうかの3ステップにしきい値がある。
医療費控除は1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が10万円を超えた場合に受けることができる。控除を受けるためには確定申告書を提出する or 電子申告(e-tax)にて申告する必要がある。怪我でなくても歯の治療も対象になる(参考:No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例|国税庁)。控除を受けるためには医療費控除の明細書が必要なので『医療費の領収書は自宅で5年間保存する必要』がある。これは年末調整では申告できないので注意。
これらの所得税の確定申告は会社勤めであっても必要なケースがあり、
- 給与の収入金額が2,000万円を超える
- 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合の合計額が20万円を超える
ケースを代表として複数のケースがあるので要確認。基本的には入院・家購入で負担が増えた場合は確定申告するべきで、副収入が増えた場合は必ずする必要ありと覚えておく。
特定口座制度
投資信託や株式から得られた配当・売却益にも税金がかかる。一般には特定口座(源泉徴収あり)を指定して取引すれば、必要な処理は証券会社側でしてくれる。源泉徴収なしの場合は確定申告が必要になる。
特定口座内における上場株式等の譲渡による譲渡所得等の金額については、特定口座外で譲渡した他の株式等の譲渡による所得と区分して計算します。この計算は金融商品取引業者等が行いますので、金融商品取引業者等から送られる特定口座年間取引報告書により、簡便に申告(簡易申告口座の場合)を行うことができます。また、特定口座内で生じる所得に対して源泉徴収することを選択した場合には、その特定口座(以下「源泉徴収口座」といいます。)における上場株式等の譲渡による所得は原則として、確定申告は不要です。(引用元:No.1476 特定口座制度|国税庁)
Tax Loss Selling/Tax Sellingに関係するものとして、「損益通算」と「繰越控除」と呼ばれる制度がある。これらの制度を利用する場合は譲渡損失が発生した年+3年間は必ず確定申告をする必要がある。申告期限を過ぎている場合は更正請求をする。
- 株で損したら確定申告すべき! 損益通算と繰越控除で“節税”する方法 | マネーフォワード クラウド
- Tax Selling Definition
- 株で損が出たら確定申告を!期限後でもしておこう [お金が戻る!2022年版 確定申告のコツ - 確定申告] All About
また預金や証券の移動について手数料を取られたくないので少し調べた時のメモは下の記事。
消費課税
財貨・サービスの消費に対して負担を求める税金。 最も代表的なものは消費税。酒税・たばこ税・入湯税もこれに該当。これらは消費した時点で税金を実質的に払っている(=サービスを販売した事業者が代わりに納めている)ので、あまり詳しく支払いの仕組みを知る必要は無いという認識。
消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の引取り(輸入取引)です(注)。(引用元:No.6105 課税の対象|国税庁)
資産課税
個人や法人の所有する資産や財産に対する税金。 最も代表的なものは相続税。他にも贈与税・固定資産税・都市計画税・自動車税などが該当。消費課税の中にも国税と地方税がある。
自動車税について、今は車を保有していないので詳細は割愛。自動車の車検証上の所有者に対して課せられる税金。環境負荷が大きい(=購入してからの年数が長い)場合は税金が変化する点に注意。また、廃車にする場合は抹消登録の手続きを怠っていはいけない。
相続税法という法律では贈与税もと相続税が規定されており、相続税は相続等により財産を取得した場合に課せられる税で『正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を民法に定める相続分によりあん分した額に税率を乗じ(引用元)』る事になっている、しかしこの一文を見ただけでは何がどうなるのか正直わからない。生きているうちに何度も発生するものではないので、しかるべき時に専門の人と話し合いながら理解を深めるべきだと思った。
また、相続の手続きについては各銀行ごとに手続きが異なるので銀行のページも要参照。相続人の範囲も家系や関係性で変化するので個別に確認する必要あり。このあたりは事前に覚えたりせず、その時々で自分がどのケースに当てはまるかを調べればいいはず。最終的な相続税の金額も、債務・財産の状態や法定相続人の数・配偶者の有無などによって変化する。
相続税法という法律で規定されているもう一つの税、贈与税は贈与によって財産を取得した場合に課される税。特に生前贈与についてはどこかのタイミングで確実に理解しておく必要ある。
相手が贈与をされたという認識がない場合は贈与とは認められないので、必ず書面で残しておくのが確実..
- 贈与者の氏名と贈与額
- 受贈者の氏名
- 受け取りましたという文面
この3点を最低限加えた書類を作成し、署名捺印を行うのが良いでしょう。(引用元:生前贈与のメリットとデメリット|生前贈与が相続税対策につながる理由|相続弁護士ナビ)
『生前贈与のメリットと進め方-知ってトクする年金・相続-ゆうちょ銀行』にも『「もらう側が贈与に合意していない」として、相続財産に計上されることも。結果、申告漏れを指摘される』とあるので、書面を残して合意したという証拠は確実に残す。またこれに関連して相続時精算課税制度というものあるらしいが、どのようなタイミングで利用すべきなのかはまだ完全に理解していない。以下のサイトに依ると『所有している財産の評価額が将来確実に上昇すると見込まれる場合(引用元)』などにこの制度の利用を検討すべき。
- No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁
- 相続時精算課税制度のメリットとは? 注意点も解説 | 相続会議
- 相続時精算課税制度とは?選択の前に絶対知っておくべき3つのリスク | 相続税申告相談プラザ|ランドマーク税理士法人
贈与について、とくに結婚・子育て・教育資金についての制度は必要なタイミングで要確認。
法人・個人事業主に対する税金
法人について。個人とは縁が少ないが法人にも税金がかかる。これらを計算する機会はほとんどないかもしれないけれど、決算短信の法人税等の項目の額の算出の仕組みは知っておいて損はないかも。
特に、法人税・法人住民税・法人事業税は法人三税とも呼ばれる代表的な税金。法人といってもいくつかの種類があり、それぞれで課税されるものが決められていることに注意する。法人税の計算は当期利益を求めたあとで税務調整をして所得金額を決定して計算する。流石にこのあたりは今の自分とは縁が無いと思うので割愛。
個人事業主について。サラリーマンは会社から給与が支払われる時点で源泉徴収されるが、個人事業主の場合は源泉徴収がされない。その代わりに所得税を予定納税する必要がある。
その年の5月15日現在において確定している前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上である場合、その年の所得税及び復興特別所得税の一部をあらかじめ納付するという制度があります。この制度を予定納税といいます。..(省略).. 予定納税額は、所轄の税務署長からその年の6月15日までに、書面で通知されます。(引用元:No.2040 予定納税|国税庁)
そして個人事業税と呼ばれる、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金も納める必要がある。
控除・免除・更正
控除
所得控除(納税者の個人的な事情を加味して税負担を調整)を受けられるケースの一覧は以下を参照。
- 雑損控除:災害・盗難、横領等が発生した場合
- 医療費控除:納税者本人、納税者と生計を同じくする配偶者・親族に医療費を支払った場合
- 社会保険料控除:納税者本人、納税者と生計を同じくする配偶者・親族に社会保険料を支払った場合
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除:生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払いした場合
- 地震保険料控除
- 寄附金控除:ふるさと納税など特定寄附金を支払った場合
- 障害者控除:No.1160 障害者控除|国税庁
- ひとり親控除:納税者本人がひとり親に該当する時
- 勤労学生控除
- 扶養控除
- 配偶者控除: 所得税法上の控除対象配偶者がいる場合
- No.1191 配偶者控除|国税庁
- 配偶者特別控除:配偶者の所得による控除
- 基礎控除:合計所得金額が2500万円以下の時
各控除を受ける方法については『【確定申告】15種類の所得控除の控除額と計算方法、知っておきたい豆知識|RENOSY マガジン(リノシーマガジン)』も参照。
また、特にサラリーマンでも経費を控除できる制度として特定支出控除というものがあるらしい。以下のページの「特定支出控除の範囲」の章を参照すると、
特に『研修にかかる費用』『資格を得るためにかかる費用』『業務に関する図書の購入費用』は特定支出にできる。ただし、『領収書があり、かつ給与を支払っている会社の承認がある』必要がある上に結構な金額使わないと控除できないのでハードルは少し高い。
更正
納付すべき税額が過大であるとき、純損失等の金額が過少であるとき、還付される金額が過少であるときなどは、更正の請求をすることができます。... 更正の請求ができる期間は、原則として、法定申告期限から5年以内です。(引用元:【申告が間違っていた場合】|国税庁)
更正の請求書は税務署へ提出する必要がある。郵送・e-Tax・税務署窓口への提出の3パターンが存在する。
いろいろ調べて思ったこと
税制は複雑で、これまで受けることができた控除もいくつか見落としているんだろうなあと思った。あと、 税金を調べている時、なんだかあまり詳しくないライブラリのドキュメントを読み解いている時と同じ気持ちになった。なんというか、『処理や手続きの正確な名称を知らないけれどきっとそういうものがあるだろう』『経験上こういうもの(控除など)があるはずだ』『この情報はこのページ付近に載っているはずだ』といった感じで調べて存在を見つける感じ。多分これから生きていくうちに色々慣れていくんだと思う。生きていくには自分で調べる力が必要。
確定申告周りはFP試験3級の範囲をしっかり理解すれば十分(参考:試験問題・模範解答 | 日本FP協会)? 収入や支出については暮らしと金融なんでもデータ|知るぽるとにあるデータは自分が今どんな状態にあるかを客観的に見る上で有用かも。